父が電話を切った後、私はソファに座ったまま、船の難破事故のドキュメンタリーを眺め続けた。数時間前、母が私のアパートを訪れ、玄関で「よくもやってくれたな」と言い放って去っていった。その背中は、まるで私との関係そのものを切り捨てるかのように、静かにドアを閉めたのだった。
あれから七か月。母とは一言も話していない。父は数週間ごとに電話をかけてくるが、天気と野球の話ばかりで、あの金のことは決して口にしない。姉のノエルからは、返送先のない誕生日カードが一枚届いた。「あなたのことを思っている」とだけ書かれていた。
私は、祖父ポップが残してくれた手紙のことを思い出す。彼は生前、私を気にかけ、母から守ろうとしてくれていた。そして、疎遠になっていた叔母ダイアンに、祖父の遺志を継いで半百万ドルを贈った。母は怒り狂い、家族は私を裏切り者と呼んだ。だが、私は後悔していない。あれが、ポップが私に託したことだったから。
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