中学の頃、俺と親友のこ太はずっと沢田に「貧乏人」と馬鹿にされ、上履きを隠されたり、机にゴミを置かれたりしてきた。あいつは大企業の御曹司で、俺たちは中卒の設備会社の若造だと思っていた。ところが二十年後、あの沢田が、俺たちが携わるタワーマンションの新社長として現れたんだ。挨拶に行くと、あいつは名刺も見ずに「お前ら中卒じゃなかったのか」と笑いやがった。そして完成前日、一通の電話がかかってきた。「お…

中学の頃、俺と親友のこ太はずっと沢田に「貧乏人」と馬鹿にされ、上履きを隠されたり、机にゴミを置かれたりしてきた。あいつは大企業の御曹司で、俺たちは中卒の設備会社の若造だと思っていた。ところが二十年後、あの沢田が、俺たちが携わるタワーマンションの新社長として現れたんだ。挨拶に行くと、あいつは名刺も見ずに「お前ら中卒じゃなかったのか」と笑いやがった。そして完成前日、一通の電話がかかってきた。「お...

「お前の会社だけキャンセルで。」

そう言ってきたのは、元受けの新社長・沢田だった。俺は設備会社として、今回の高層タワーマンション建設に関わっていた。それが完成前日の出来事だ。

まあ、今さらこいつに何を言っても無駄だろう。

そう思った俺は、ある人に連絡を取ることにした。

「わかりました。またのご利用を。」

そう言って、設備した特注カーテンだけを全て外して、即座に帰ってやったんだ。その後、沢田社長は大変なことになる──。

俺の名前は、川村ケト、37歳。祖父の代からの川村設備という会社を継いでいる。

幼い頃から、父も祖父の会社で働いていて、母はそこで事務をしていた。近くに祖父母の家があり、俺は内弁慶で、ばあちゃん子だった。じいちゃんも、俺をよく可愛がってくれた。

保育園の送り迎えは、いつもばあちゃんがしてくれていた。小学生になっても内弁慶が治らず、いつも一人でいた。授業中も、皆が元気に大きな声で返事をする中、俺だけが小さく手を挙げるだけだった。

小学2年生の時、漏れと同じようにぽつりと座っている、こ太という子が同じクラスになった。俺たちはすぐに仲良くなった。家は意外と近くて、こ太の家にはお父さんがいなくて、お母さんが昼も夜も工場で働いていたらしい。

俺はこ太と一緒に宿題をしたり、じいちゃんの会社に遊びに行ったりしていた。父は営業に出ていて、母は事務所で頑張っていた。俺が母より先に帰ると、ばあちゃんはこ太の分も夕飯を出してくれたんだ。こ太のお母さんは、よくお礼の品を持ってばあちゃんに会いに来てくれていた。

そして小学3年生の時、俺の父が突然の交通事故で亡くなってしまったんだ。俺は泣き叫んでいた。こ太のお母さんもこ太も、葬式に来てくれた。しばらく学校を休んでいた俺に、こ太が言ってくれたんだ:

「僕のお父さんも、交通事故で天国へ行ったんだよ。」

こ太が4歳の時だったらしい。じいちゃんもばあちゃんも母も、深く落ち込んでいたが、じいちゃんには仕事がある。俺と母は、じいちゃんの家に引っ越した。

俺もこ太に励まされて、学校へ通い出した。母も、再び仕事に出始めた。一番泣いていたのはばあちゃんだったが、以前のようにいつも美味しい食事を作ってくれていた

じいちゃんの会社には、システムキッチンや洗面台などが置いてあり、まるでホームセンターのようだったんだ。俺たちは、そんな会社の中で楽しく遊んでいた。いろんな電気の配線などもあり、あまりはしゃぐと怒られるので、静かに鬼ごっこをして遊んでいた

ある夜、少しお腹が痛くなりトイレに行くと、ばあちゃんがダイニングキッチンで一人、シクシクと泣いていたんだ。俺は見なかったことにして、部屋に戻った。いつも笑顔のばあちゃんは、本当はたった一人の息子を亡くし、とても悲しかったのであろう。大人になれば、あの夜のばあちゃんの悲しみが分かる気がした

そして俺とこ太は中学に進む。沢田というボス的存在がいたんだ。俺とこ太は学校でも仲良くしていたが、中学2年の時、沢田とこ太と俺は同じクラスになる。

俺とこ太は、やはり学校ではおとなしい方だった。俺も内弁慶のままだ。そんな時、こ太に沢田が言ってきた:

「おいこ太、今日夕方一緒にゲームしようぜ。」

「別にいいけど。」

「俺も行くよ。」

そう言って、こ太の家に集まったのだが、沢田は取り巻きも3人も連れてきたんだ。こ太の家はアパートで、そんなに広くはない。

「なんだ、こんな狭いところじゃみんなで遊べないじゃないか。つまんね。「おい、貧乏人の家は無理だ。帰るぜ。」

そう言って、沢田は取り巻きたちと帰って行った

その次の日から、沢田がこ太に言うんだ:「おい、貧乏人、あげるよ。」そう言っていらないプリントのゴミを丸めたものを、こ太の机の上に置いていく。こ太は黙ってゴミ箱に捨てる。俺は:

「沢田君、ゴミなら自分でゴミ箱へ捨てろよ。」

「はあ?いつもこ太と一緒にいるケトとか、生意気だな。「お前も覚えとけよ。」

そんなことを言ってくる。それから、俺とこ太の上履きを隠されたり、俺も同じく貧乏だとか言われ始める

俺もこ太も、そこまで生活に困ってはいなかったのだが、一度こ太と自転車で沢田の家を見に行ったら、大きな豪邸だった。

「なんだ、お坊っちゃまかよ。」俺とこ太は笑った。しかし、俺とこ太はやはり沢田を好きになれない。中学3年まで、嫌がらせは続いた

俺は中卒で、じいちゃんの会社でこ太と働くことになる。母は高校を進めたが、俺はコミュ障だし、こ太と離れるのは嫌だと、無理やり母のわがままを聞いてもらった

じいちゃんの会社の工場で、細かい部品を箱詰めする仕事を、パートのおばちゃんと一緒にしていた。一度じいちゃんが、俺たちを出来上がったマンションの設備の確認に連れて行ってくれた。洗面台の水道の点検だった。俺たちは、そんな洗面台や空調設備の部品を作ったりしていたんだ

俺は建築に興味を持ち始め、仕事を終えてから建築の専門学校へ通い出した。こ太も誘ってみた。」二人で一緒に勉強することになったんだ

こ太が働き出してから、こ太のお母さんは昼間だけの仕事になったので、その頃はこ太の家でご飯を頂いたりもしたんだ。それからは、仕事がだんだんきつくなる。建築しているマンションのシステムキッチンや空調設備の設置の仕事に回る。体はヘトヘトになっていたが、シャワーを浴びて、また夜着替えて専門学校へ通っていた。設計なども勉強しながら、23歳で2級建築士、そして26歳の時に1級建築士の資格を、2人で取得できたんだ

俺とこ太は事務所でシステムキッチンの設計をしたり、建築現場を見に行ったりしながら、現場監督の仕事もした。こ太と俺は、家などの見学会があればいつも日曜に一緒に見に行っていた。そんな時:

「なんだか足りないなあ。」とこ太が言い出す。

「ん?なんか言ったか? 」

「なんだか俺たちさ、仕事ばっかりしていない? 」

「まあ、そういえばそうだな。」

「なあ、ケト、今度、合コンでも行こうよ。」

「ちょっと俺苦手だけどさ、こ太と一緒なら行ってみようかな。」

そんな風に合コンへ出向いた。俺は緊張してあまり話せない。しかし、普段はおとなしいこ太だが、意外と乗り気だった。こ太が俺を紹介してくれて、ネットで主催された合コンは10人ずつだったが、お互い気の合う女性ができて、連絡先交換をして家に帰る

その後、お互いに交際を始めて、休みの日はいつもデートになる。。そして、設計が得意なこ太は、設計士として独立したんだ。俺は祖父の後を継ぐ予定だ

俺は祖父から仕事を依頼されて、他の社員さんとあちらこちらの建築物まで向かうことになった。こ太はネットで広告を打ち、設計士として軌道に乗っていたようだ。俺もネットで川村設備のホームページを作っていった

うちの元受けは沢田建設だったのだが、俺はまさかあの中学時代の沢田のお父さんの会社だとは、全く知らなかった。こ太と一緒によく沢田建設に営業に向かった。最初は住宅地の建築の設備だった。注文住宅が多く、俺は設計をこ太に任せる。」こ太は喜んで受けてくれた

うちの会社は、特別照明やキッチンなどの受け持ちだ。30件ほどの注文住宅は、見事に成功した。ついでに、祖父が自分の家を改築し始めた。」こ太に設計を頼んで、祖父母と母のキッチンを別にして、偽世帯住宅を祖父は立ててくれたんだ。母自身は料理が好きで、普段祖母と一緒に料理をしていたようだ。そんな話を聞いて、祖父母の心遣いだったようだ

祖父母は1階に、俺と母は2階へ引っ越す。俺は彼女との交際が続いていて、結婚に至った。いずれは祖父母や母と同居するつもりではあった俺たちだったが、とりあえず新婚の間は、母たちの近くでマンションを借りて暮らし始めた

こ太はこ太で、自分で設計した家を作り、母親との完全別世帯で、彼女と新婚生活を始めた。そして、お互い子供にも恵まれて、幸せに暮らしていた。子供たちが幼稚園に行き始めた頃、沢田建設から高層ビル建設の大きな仕事が入った

俺は沢田社長にこ太を紹介し、こ太は設計に忙しくしていた。俺は設備の方の設計をしていた。システムキッチンや浴室、空調、そしてカーテンまで。そしてこ太の設計をもとに、建築が始まる。いわゆるタワーマンションの建築だ。俺は現場監督も沢田社長に頼まれた。35歳になった俺は、もう祖父から会社を任されていたんだ

放送ビル建築中、沢田社長が病で亡くなってしまった。」俺と祖父とこ太は、葬式に向かう。すると、そこにあの中学時代の沢田がいたんだ。その時に俺とこ太は初めて、奴が息子さんだったことに気づいたんだ

そんな時、沢田は俺とこ太に:

「なんだ、お前たちか。まだ仲良くやってんのかよ。「貧乏人からわざわざ電いらねえよ。」

そんな失礼なことを言ってきた。そう言われても、俺たちは黙って電を置いていく。祖父は会長になっていたが:

「なんて失礼な息子だ。」と帰りにブツブツ怒っていた

その後、祖父の話であの沢田が新社長になるとのことだ。「一応挨拶に行かないと。

そしてまたこ太と挨拶に行く。嫌だったが、これだけは仕事だ:

「沢田様、新社長ご就任おめでとうございます。」

俺とこ太はそう言って名刺を差し出した:

「今タワーマンションの設備を担当させていただいてます。」

「私は設計を担当させていただきました。」

そう言うと、沢田は:

「いや、新社長はお前らが社長。」

そう言って笑っていた:

「お前ら中卒じゃなかったのか。」

「一応、俺もこ太も一級建築士ではありますので、ご安心ください。」

「へえ。お前らがね。」

「私は前社長から現場監督も任されていますので。」

そのように挨拶だけして、俺たちは新社長の元を後にした

俺たちは一応挨拶が終わったので、少し久しぶりに2人で居酒屋へ行ったんだ:

「まさか、あいつが新社長だとはなあ。」

「また、中学の時のことを思い出したよ。」

「なんでまたあいつにペコペコしないといけないんだよ。」

「世の中残酷だよな。」

「腐れ縁とかいうやつか。」

「本当だな。これこそ本当の腐れ縁だよな。」

「まあ、今日は美味しいものでも食べて忘れようぜ。」

「そうしよう。向こうはあの大手の社長だから、現場にはあまり来ないだろうし。」

「こ太は設計は終わってるしな。」

そう言って、楽しく飲むことにした。子供たちは小学校で学年は違うが同じ学校だなとか、嫁さんはよく家事をやってくれているよなとか、そんな会話がはずんでいた

ビル建設には、他の建築会社が何件か入っていた。俺は現場監督をしながら、外注に頼んだ空調設備の様子や、部屋が出来上がるごとに照明の設置、システムキッチンや浴室の様子を見に行く。全て順調だ。そして内装は出来上がった。」残すは外壁などだ。

俺は一旦休憩だ。」こ太に連絡してみると、こ太も時間があるとのことで、こ太家族と一緒に1泊の遊園地旅行を計画した。そしてゆっくり子供たちと楽しんだんだ。料理も美味しかった。」妻も仲良しなので、子供のように乗り物に乗って楽しんでいたんだ

楽しんでゆっくり、次の顧客の修理工事などを受け負っていたりしたんだ。」俺とこ太は、明日完成するタワーマンションを外から見に行った。そんな時、俺のスマホに知らない電話番号から着信がある。」俺は不審に思いながらも電話に出た。すると:

「ああ、俺だ。」沢田だ。」

「今回のタワーマンションさ、お前の会社だけ発注キャンセルで。」

「新社長。」

「なぜ連絡先を? 」

「ああ、お前のじいさんに聞いた。」

「そうですか。」それで何か問題でも?

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「ああ、問題だらけだ。」だからキャンセルな。」

「そうですか。」わかりました。」ではまたのご利用を。」

俺はそう言った。するとこ太が:

「どうした? ひょっとして沢田か? 」

「うん。」当たり。「俺の会社だけキャンセルだってさ。」

「ちょっと俺に考えがある。」よかったら手伝ってもらえるか? 」

「うん。」今日なら大丈夫だけど。」

「ありがとう。」助かるよ。」

こう言って、俺は祖父にこの胸を伝え、できるだけ知り合いの建築関係の人を集めて欲しいと頼んだ:

「作業は夜までかかるが。」

「そう、俺はカーテンだけ全部外す予定だ。」

そして、たくさんの人が来て、各部屋のカーテンを全て外してくれた。夜中の2時までかかったのだが、念のためレンタカーを借りて、カーテンは何度も往復して大切にうちの倉庫に片付けた。」こ太にはまた改めてお礼をすると言って、帰ってもらったんだ

そして完成当日:

「おい、今日見に行ったが、カーテンが全部ないじゃないか。」

「新社長キャンセルとおっしゃいましたので。」

俺はすぐ電話を切って、ある人に電話をしたんだ。」それは祖父の友人である、沢田の祖父だ:

「沢田会長、お話があります。」今よろしいですか?

「ああ、ケト君か。」久しぶりだな。」

「どうした? 」

「今回のタワーマンションの建設の件ですが、沢田会長の大切なお孫さんに、キャンセルだと言われたのです。」

「なので申し訳ございませんが、外せるカーテンは外させていただきました。」

「あとはキャンセル料をお願いしたいのです。」

「何? あいつが勝手にそんなことを? 」

「はい。」うちの会社だけキャンセルだそうです。」

「僕が見た限りでは、悪いところはないと思うのですが、実は僕、お孫さんと中学の同級生でした。」

「そしてお孫さんがある子に嫌がらせをしていたのですが、僕はその子をかばって、あの頃から僕、お孫さんから嫌われていたんですよ。」

「原因は、それくらいしか考えられないのですが。」

「事情は分かった。」よかったら、今日の昼過ぎにもう一度カーテンを持ってきてくれないか?

「いいですが。」

「それなら、キャンセルはわしがあいつに言い聞かすよ。」

「そうですか。」分かりました。」

そうして、昼過ぎにカーテンを持っていくことになった。」なんだか世話になるが、仕方がない。俺は運送会社に綺麗に梱包してもらって、全てのカーテンを運んでもらうことにしたんだ。」カーテンは高級なものだ。」もちろん、直射日光を防ぎ、防音、防寒効果もある。」そして大切なのは、遮光だ

カーテンを外す作業はかなり時間と人件費がかかったので、その分は後で上乗せさせてもらうことにする。」そして、俺は運送会社と同じ時間に現場に着いた。」会長も来ていた。しかし新社長は:

「ケト今更何しに来た? 」

「あの、会長に頼まれましたので、カーテンを持ってきました。」

「もういいよ。」カーテンなんて、とりあえずキャンセルだから。」

そう言ってきた新社長。」その新社長に、会長が怒鳴った:

「おい、孫だからと思って甘く見ていた。」

「お前は勉強が足りない。」

「そもそも高層ビルや放送マンションには、火災の予防のためにも遮光カーテンは必須なんだぞ。」

「そんなことも知らなかったのか。」

「え、じいちゃん、カーテンがなくても景色はいいし。」

「バカかお前は。」これは消防法で決まっているんだ。」

「お前の知り合いを全て探せ。」すぐカーテンを取り付けるんだ。」

「こちらも若手の建築員に頼んでみる。」

そんな感じで大変なことになった。新社長は:

「ケト、なぜ言わなかったんだ? 」

「いや、キャンセルと言われましたので、その他のものは取り外しできませんから。」

「それに、今回のカーテンもかなりの高級品なので、仕入れたのはうちですから。」

「ちっ、バカにしやがって。」

「お前も手伝え。」

「はあ? なぜですか?

1度は私もカーテンをつけました。」

俺はそう言ってやった。すると会長:

「ケト君、誠に申し訳ない。」追加で工事費として出させていただく。」

「こいつには謝罪させるので、どうかお願いできないか? 」

「分かりました。」

その後、会長は新社長に俺への謝罪を命令する:

「沢田。」「どうもすみませんでした。」

と頭を下げた白

しかし、新社長たちとカーテンを取り付け終わった後、会長から新社長は処分を下されたんだ:

「おい、お前に孫だからというだけで簡単に取り締まり役を任せてしまった。」

「お前は沢田建設の社長としては、まだまだ修行が足りない。」

「もう一度建築現場で働いて、1からやり直せ。」

「じじいちゃん、そんな。」

「ケト君は、お前と同じ年じゃないか。」なのに、とても苦労して工場で働き、その後建築士の免許も持っている。」

「早くにお父様を亡くされて、苦労しているんだ。」それなのに、なんだお前は。」

「大学にも行かせてもらって、このざまか。」本当に情けない。」

「知り合いの建築会社へ頼んでおく。」もう一度しっかり勉強しろ。」

新社長は、会長に叱られて、感動したようだ白

「沢田。」まあ頑張れよ。」

俺がそう嫌味を言うと、彼は半泣きでその場を去っていった白俺は思わず、にやりとしてしまい、設備費の売上はきちんと会長から入金された。」それに、カーテンの外しや取り付けの分もきちんと上乗せしてもらって、こ太と会長と高級料亭で食事をしたのだ:

「こんなところに来るのは初めてだ。」俺はちょっと緊張した。」そして個室で:

「ケト君、この度も素晴らしい設備をありがとう。」

「あの孫があんなにバカだったとは、情けないよ。」

「今は年下に怒鳴られて、現場で頑張っているようだ。」ははは。」

「いえいえ。」こちらこそありがとうございました。」今後ともよろしくお願いします。」

俺はそう頭を下げた。」こ太と会長は昔話で盛り上がっている:

「ケト君、遠慮しないでどんどん食べてくれよな。」

そう言ってくれて、美味しい和食を俺は頂いた白俺は今度の結婚記念日には、妻と子供を連れて来よう。」そう思った

その後、沢田はとうとう限界で現場をやめてしまったらしい。」それからは、離婚もされて、どこか知らない町へ行ってしまったようだ白

一方で、俺は息子の入学式を迎え、満開の桜の中で家族写真を撮った。」ランドセルは、祖父からのプレゼントだ。」祖母も元気にしていて、仕事もとても順調だ。

会長はもう1度社長に戻り、たくさんの仕事を回してくれている。」そしてまたこ太も、設計会社は順調そうで、会長から依頼を受けた家の設計などしている

学生時代は沢田のせいで嫌な思いもした俺たちだが、大人になってからそのおじい様のお世話になるとは、本当に思いもしなかったことだ白俺は、祖父が作ったこの会社をしっかり守っていこう。」を、再び思ったのだった白