義両親の前で、夫が浮気を否定した瞬間、信じられないといった表情を浮かべた。これまで彼らが見てきた夫は優しい息子で、私にも優しい夫だった。だから仕方ない。夫はまだチャンスがあると思ったのだろう。わざとらしく「やれやれ」というポーズを取りながら、ゆっくりと話し始めた。
「いやいや、父さん、母さん、俺が浮気なんてするわけないじゃないか。強化のやつなんか勘違いしてるんだよ。」
「そうか。そうだよな。びっくりしたよ。もし本当に強化さんの勘違いだったとしても、誤解させるようなことはゆきとだってしてるはずだから反省しなさいね。ちゃんと2人で話し合いなさいよ。」
「ああ、分かってるよ。」
夫はしてやったりという表情をした。だが、彼が浮気を認めないことは想定内だ。そこで私は別の真実を先に明かすことにした。
「話したいことはそれだけじゃないんです。実は新居への引っ越し、お2人との同居は私に相談なく幸さんが勝手に決めたことでした。逆らったら離婚するなんて脅されて。」
「なんだと?」
「いや、そんなはずは……だって同居は強化さんの希望だったんだろ。それに私との買い物やお父さんとのゴルフも楽しみだって話だったわよね。」
「お2人さえよければ、これからそういうことができれば嬉しいです。その気持ちに嘘はありませんが、私が同居を希望したというのは幸さんの嘘です。」
義両親はまだ信じることができずにいた。夫は冷静にその場をしごこうとするが、そうはいかない。私は自分の話が本当である証拠を見せることにした。
「お父さん、お母さん、少し落ち着いて聞いてくださいね。ゆきさんが優しいのはお2人の前だけです。今その証拠を見せますね。」
スマホを取り出し、ある音声を再生した。
「おい、今日か。いい物件が見つかった。両親も同居できる広い家で、2人とも喜んでるよ。5日後に引っ越すから準備しろ。もちろんお前が全部やるんだ。断ったらどうなるか分かっているよな。」
「いつかあれば十分よ。任せておいて。」
「いい返事だ。まあ、お前は俺がいなきゃまともに生活もできない無能だからな。これからも俺に黙って従え。」
流れたのは5日前の私をいびる夫の声だった。実はあの日、私はこっそり音声を録音していたのだ。日頃から夫にいびられていたからこそ、証拠として会話を録音するようにしていた。
「え、う、嘘だろ……」
夫は動揺していた。義両親もお互いの顔を見合わせ、だんだんと表情が険しくなっていった。私はすかさず別の音声を再生した。
「子供が産めない分、俺たち家族に尽くせ。それすらできないような甲斐性なしなら出ていってもいいぞ。」
日頃から言われていた言葉の数々だ。これにはさすがの義両親も夫をかばうことはできなかった。義父が夫に鋭い視線を向け、話し始める。
「これはどういうことだ? 強化さんにそんなことを。お前が一方的に引っ越しや同居を決めているじゃないか。私たちに嘘をついてまで……そんなこと、私たちが悲しむことになるって分からなかったの? 何よりも強化さんに対して申し訳ないわよ。」
義両親が私の話を信じ、夫を責めると、夫は悔しそうに唇を噛んだ。証拠を出されたことで白を切ることは無理だと悟ったのだろう。夫は私の方を向き、頭を下げながら口を開いた。
「強化、今までひどいことを言って悪かった。俺、子供が欲しくてさ。だから強化が不妊だと知ってショックだったんだ。」
「子供が欲しい気持ちは理解できる。だが、それは強化さんをいびる理由にはならないぞ。」
「お父さんの言う通りよ。むしろそれならゆきとが強化さんを支えなきゃだめじゃない。なのに嫁いびりなんてして、余計なストレスまで与えて、挙げ句の果てに浮気もしてるってどういうことなの?」
今までにないくらい義両親は大激怒していた。実の息子の間違った行動に対する失望。そして私を守るために怒ってくれている。私も夫には失望しているが、義両親には感謝の思いでいっぱいだった。
「強化にひどいことを言っていたのは本当に悪かった。申し訳ない。でも信じてくれ。俺は浮気なんてしていない。」
夫は再び謝罪しながらも、あくまで浮気のことは否定した。だが私は夫が嘘をついていることを知っている。今度はその証拠も見せるべく、あるものを取り出した。
「3人に見て欲しいものがあります。今それを出しますね。」
鞄から取り出して3人に見せたのは1枚の封筒だった。その中に入っていたのはたくさんの写真で、夫と女性が仲良さそうな笑顔で映っており、女性の腕の中には子供がすやすやと眠っていた。
「これは確かにゆきとだな。この女は誰なんだ? それに男の子の赤ちゃんまで……一体どういうことなの?」
「お、俺はこんなの知らないぞ! こんな女性も赤ちゃんも、これはきっと合成写真だ。そうに決まってる。」
見苦しい言い訳だ。夫は私を無能呼ばわりし、何もできないと決めつけている。だから簡単に認めようとしない。でも彼がどれだけ言い訳しても事実は変えられない。私は全てを知っているのだから。
「ゆきと、これは合成じゃないわ。だってこの女性、レミさんは私が務めているアパレル会社に中途採用で入社した人なんだもの。」
「んだと。お前、レミのことを知っていたのか?」
夫は義両親の前でも浮気に関してボロが出始めた。私はここぞとばかりに浮気に気づいた理由を話すことにした。
「レミさんが仕事を始めた理由は、子供を産んだからだそうよ。その話をしていたら、彼女は家族写真を見せてくれたの。あなたと男の子が映っている写真をね。さっきあなたに『浮気相手から聞いた』っていうのは、そういうことだったのよ。」
「じゃあ、このベビー服もレミの家に送るつもりだったのか。一体どうしてそんなことを。」
「それはレミさんと約束したからね。ベビー服を送るって。そしたらレミさん、すごく嬉しそうにしていたわ。私がゆきとの妻だとは知らずに。」
私が妻であることを隠したことで、レミさんは無警戒だった。何も知らない彼女は素直に喜び、住所を教えてくれた。だからこそ、男の子用のベビー服を事前に作ることや、夫の荷物をレミさんの家に送ることができたのである。
「ゆきと、お前というやつはどこまで最低なんだ。家族のことを騙して裏切るなんて。」
「平気で嘘をつくなんて、本当に信じられないわ。」
全てが明らかになった。今、夫に言い返すことなんてできないだろう。これで少しは反省するかしら。私はそう思ったが、次に夫が放った言葉は信じられないものだった。
「はあ。もうどうでもいいよ。」
夫はため息をつくと、すっかり開き直り、とんでもないことを言い出した。
「はいはい。そうだよ。俺は浮気してた。だけど、それは父さんと母さんのため、仕方なかったんだよ。」
「私たちのためだと? 私たちは強化さんを裏切ることなんて頼んでないわよ。」
義両親は呆気にとられていた。呆れられても当然の開き直りだが、夫はお構いなしに話を続ける。
「俺は早く父さんや母さんに孫の顔を見せたかったんだ。でも強化が不妊だと知って、それが叶わないならさっさと切り捨てようと思ってた。そんな時に出会ったのがレミだったんだ。」
「それでレミさんには独身だと偽って、子供を作ったってわけ?」
「ああ、そうだよ。レミは俺の望み通り妊娠して子供を産んでくれて、本当に最高の女だぜ。」
夫はゲスい笑みを浮かべながら話していた。今の夫は私に対して愛情が全くなく、レミさんへと向けられている。だけどそれも夫の勝手な言い分だ。夫は私だけでなくレミさんすらも騙している。結局自分のことしか考えていないのだ。
「ちなみに俺が強化をいびっていたのは、離婚したいと言わせるためだ。だって俺の浮気が理由で離婚したら慰謝料が発生するからな。そんな無駄な金を払いたくなかったんだよ。」
そんな理屈が通るとでも思っているのだろうか。夫は何も分かっていない。自分がやったことに責任を取らず、全て私に押し付けようとするなんて信じられない。
夫の自分勝手な言い分に、義両親はこれ以上怒りを抑えることはできないようだった。
「ふざけるのもいい加減にしろ! 慰謝料が払いたくないから強化さんをいびっていた? お前は自分の妻を何だと思ってるんだ?」
「私たちは確かに孫の顔を見たかったわ。でも、もしあなたたちに子供ができなくても、2人が幸せに暮らしているだけで良かった。それが私たちの1番の望みだったのに。」
義両親は厳しい表情でそう言うが、夫の心には響かない。
「ギャーギャーとうるさいな。こんなことになったのは不妊の強化のせいだ。ちゃんと妊娠して子供を産んでくれていたら、浮気せずに済んだんだよ。」
夫は悪びれることなく、全ての責任を私に押し付けるセリフを吐き捨てた。そんな夫の姿を見ながら、私は過去のことを思い出した。夫はアパレル業界で働く私に対し、「仕事を頑張ってる強化はすごいよ。これからも頑張れ。でもあまり無理しちゃだめだよ」と、私の体を気遣いながら応援してくれていた。そんな夫の口癖は「子供ができたら強化にベビー服を作ってほしい」ということ。優しい笑顔でそう言ってもらえて、あの頃の私は本当に幸せだった。でもそれも全部嘘だったかもしれない。夫は私を愛していたのではなく、子供が欲しかっただけで、結婚相手は誰でも良かったのだと思わざるを得なかった。
「はあ。ゆきと、もういいわ。ここまで言われて反省しないようじゃ話にならないから、私たち離婚しましょう。もちろん慰謝料だって請求するからね。」
私は離婚届を突きつけた。
「もちろん、私たちもゆきとは絶縁する。母さんもそれでいいな。」
「当然よ。私もお父さんと同じ気持ちだからね。」
私との離婚は夫がそうなるように前々から仕組んでいたことなので、彼にダメージはないと思う。しかし義両親に孫を見せたかった気持ちが本当だったなら、義両親からの絶縁宣言には少し動揺するのではないか。そう思ったが、私の考えはどうやら甘かったらしい。
「ああ、喜んで離婚してやるよ。俺は新居でレミと人生を再スタートさせるから。父さんも母さんもバカだよ。後で泣きついてきても、孫の顔なんて見せてやらないからな。」
そう言って、私たちを見下すように高笑いしていた。もう夫に話すことはない。彼がサインした離婚届を受け取ると、私と義両親はそのまま新居を後にして出ていった。
「強化さん、ゆきとが本当に迷惑をかけて申し訳なかった。私たちの育て方が間違っていたのかもしれないな。」
「同居の話をゆきとから聞いた時も、ゆきとの話だけを一方的に聞かず、強化さんに確認すればよかったわね。強化さんの話を何も聞かずごめんなさい。」
義両親は夫の代わりに私に謝罪してくれた。2人は何も悪くないので、頭を下げる必要なんてない。どうしてこんな優しい2人から、夫のような人間が育ったのか不思議でならなかった。
「お2人とも頭を上げてください。私の方こそ、ゆきさんの浮気やいびりを相談できず申し訳ありません。ただ、このままゆきさんの思い通りには行きませんよ。必ずゆきさんは後悔することになります。」
「え、それはどうしてだ? 強化さん、他に何か知ってるの?」
「しばらく様子を見ていましょう。その答えはすぐに出ると思いますから。」
私がくすっと笑いながらそう言うと、義両親も少し戸惑いながらも小さく頷いた。その答えが出たのは思った以上に早かった。翌日、私が仕事を終えスマホを取り出すと、画面に表示された着信履歴を見て思わず目を疑った。なんと元夫から何十件もの着信が入っていたからだ。
「こんなに電話してくるってことは、やっぱりそういうことよね。どういう要件か大方の予想はついていたが、とりあえず折り返そう。」
そう思っていたところに再度元夫から着信が入ったので、電話を取り話を聞いてみることにした。
「やっと電話に出たな。おい、強化。昨日あの後レミの家に行ったが、俺の荷物があっただけでレミ自身はいなかった。一体どういうことだ? お前、何か知っているのか?」
昨日は散々私や義両親を見下して笑っていたくせに、そう思ってしまうほど夫は電話越しでも分かるくらい焦っていた。正直いい気味だと思ったが、その気持ちは抑え、私は元夫に現実を突きつけることにした。
「ゆきと、あなたはレミさんのことを独身だと騙していたけど、レミさんだってゆきとのことを騙していたのよ。あの人はゆきと以外にも何人もの男性と交際して、全員に貢がせているわ。」
「はあ? なんだよそれ。なんでお前にそんなことが分かるんだ?」
「それは探偵所を使ってしっかり調べたからよ。ゆきとの浮気を知ったのは、ただレミさんから聞いたってだけじゃないの。徹底的に浮気調査をしたら、彼女の本性を知ることができた。レミさんはゆきとのことをATMとしか見ていなかったのよ。」
私はレミさんの本性を知っていたが、元夫への復讐のために黙っていた。最も、こんな状況にでもならない限り、私がそれを話したところで信じてもらえない。そんな風にも思っていた。でも今なら私の言うことを信じるしかないわよね。しかし認めるわけにはいかないと思ったのか、夫は泣きそうな声になりながら話を続けた。
「そんなはずはない。だって俺はレミと子供を作ったんだぞ。俺のことを騙してたなら、子供を抱きながら俺と一緒に笑顔でいることなんてできないはずだ。」
そんなことになってもなおレミさんのことを信じてわめき散らす元夫に、心底呆れてしまう。だがそんな元夫に追い打ちをかけるように、私はある事実を明かすことにした。
「あのね、実は不妊なのは私じゃなくてゆきとの方よ。もちろんレミさんが産んだ子供は別の男性との子供で、ゆきとの子供じゃないわ。別に信じたくないなら信じなくてもいいんだけど。」
「何を言ってるんだ。自分が不妊だってからって負け惜しみなんてみっともないぞ。俺との子供を産んだレミが羨ましいんだろうが。」
元夫は私の話を信じず、しこりもなく私を不妊だと決めつけて攻め立てた。この人には言葉で説明しても話が通じない。私がそう思うには十分だった。
「さっきも言ったけど、信じなくていいわ。とりあえず不妊検査の結果は出てるから、あなたのスマホに送るわね。あなたの検体だけはくれたから、ちゃんと検査を進められてよかったわ。」
「なんだよ。お前が不妊だって証拠があるなら早く出しとけよな。って、これはどういうことだ? 本当に俺が不妊だったのか?」
私がスマホで検査結果を送ると、ようやく元夫は信じた。いや、信じざるを得ないという方が正しいだろう。元夫の驚いた声を聞くと、そのことがすぐに予想できた。
「おい、どういうことなんだ? どうして教えてくれなかった?」
そう話す元夫の声は震えていた。そこで私は元夫に隠していた理由を話すことにした。
「最初はゆきとにも伝えるべきかどうか悩んでいたわ。それでもなかなか伝えることができなかったのよ。」
「それはどうしてだ?」
「だってゆきとはあんなに子供を欲しがっていたから。そんなあなたに不妊だと伝えるのは酷だと思ったのよ。もし実際に私が不妊だったとしたら、どうだっただろう? 簡単に『不妊治療を頑張ろう』と前向きになることなんてなかったはずだ。きっとショックでたくさん泣いて、自分のことを責めただろう。そう思うと、元夫にも簡単に話をすることができないと考えていた。」
「でも、もしゆきとが紳士的に私と向き合い、大切にしてくれていたなら、ちゃんと話したと思うわ。ゆきとは最初ショックを受けたと思うけど、ゆきとのことも支えよう。治療を頑張ればいつか私たちの子供を授かれるかも。そう思ってた。」
「だったら、どうして……」
「それはあなたが1番よく知ってるんじゃない? あんなに私のことを不妊だと決めつけて、嫁いびりをしてきたのよ。挙げ句の果てに浮気もしてお父さんやお母さんのことさえも騙してた。あなたの本性を知っちゃったら、支えたい気持ちなんてなくなったわ。絶対にゆきとに復讐をする。そう決意したってわけよ。」
私は元夫にはっきりと冷たく告げた。次に元夫から飛び出した言葉を聞き、ようやく私の話が伝わったことを理解した。
「強化は俺が不妊でも見捨てず支えようとしてくれてたってことか。俺がもっと強化に寄り添ってれば、こんなことにはならなかったってことなのか。」
「まあ、そういうことになるわね。今更気がついても遅いけど。」
「強化、本当に悪かった。許してくれ。今度こそ俺は強化のことを支えていくから。だからもう一度やり直してくれないか? 強化、頼むよ。」
自分の間違いを認め、後悔を口にしたかと思えば、まさかの復縁を要請してきた。そんなことあり得るはずがない。謝れば何でも許されると思ったら大間違いだ。
「いいえ、もう無理よ。世の中には取り返しのつかないことがあるの。ゆきとはそれだけのことをしたの。よく覚えておくことね。今日か。」
「待ってくれ!」
元夫はまだ何かを言いたそうに声をあげていたが、私は聞く耳を持たずそのまま電話を切り、話を終えた。その後、私は元夫と離婚し、自由な生活を続けていた。
そんなある日のこと、義両親が「たくさん野菜が取れたから」と言って私の家に持ってきてくれたのだが、その時に元夫の様子も教えてくれた。
「この間、ゆきとが私たちのところに助けを求めてやってきたよ。どうやらあの後ショックで引きこもって、仕事もやめたらしい。貯金も失い、仕方なく新居も売りに出したそうだよ。だからと言って同居して私たちに許してもらえるなんて思ったら大間違いなんだけどね。」
「ゆきとが巻いた種なんだから、私たちは強化さんに頼らず、自分の力で乗り越えなきゃいけないわよね。」
絶縁宣言をした手前、義両親も簡単に元夫に手を差し伸べることはできないだろう。もちろん私も元夫のことを助けるつもりは全くない。義両親の話で今元夫が人生のどん底に落ちているのは理解したが、ここから這い上がれるかは元夫の努力次第としか言いようがない。
その一方で、レミさんもまた幸せに過ごせているわけではなかった。ある時突然アパレル会社を退職したのだが、元々勤務態度も悪く、職場でも男に色目を使ってばかりだった。噂によると、レミさんと付き合っている人の中には元夫以外にもレミさんのことを騙していた男がいたり、付き合っていた男の中には既婚者も多く、奥さんにバレて多額の慰謝料を支払うことになったそうだ。それにより全財産を失って、ボロボロになっているらしい。
元夫にしろレミさんにしろ、こうなったのは自業自得でしかない。私はこれから自分の幸せを考えて生きていこう。そう考えて前向きに過ごしていると、数年後に私に幸せが舞い込んだ。縁あって素敵な男性と再婚できたのだ。今度の夫はとても優しく、私のことを大切にしてくれた。「子供を授からなくても、夫婦2人で幸せに過ごせるといいね」と言ってくれてたので、私はストレスを感じることもなく、毎日笑顔で過ごしていた。それが良かったのだろう。結婚して1年後には無事に男の子を出産した。
「ママがかっこいい服を作ってあげるからね。きっとあなたによく似合うわよ。」
さらに翌年、息子が1歳の誕生日を迎えた際にはベビー服を手作りして息子に送った。夫と一緒に息子の誕生日を祝い、みんなが笑顔になっており、それを見て私は幸せを噛みしめていた。きっとこの幸せは永遠に続いていくのだろう。私はそう確信している。



