「俺、再婚することにしました。こいつは邪魔なんで、おばあちゃんにお任せします」――娘の葬儀から一ヶ月。突然現れた義理の息子が、四歳の孫を「邪魔」と言って私に押し付けていった。妻が亡くなった悲しみも癒えぬうちに、新しい恋人と再婚するためだと言う。震える孫を抱きしめながら、私は思った。あの男は娘の死を知っている。事故なんかじゃない。そう確信した矢先、孫が深夜に意味ありげな笑みを浮かべて言った。「…

「俺、再婚することにしました。こいつは邪魔なんで、おばあちゃんにお任せします」――娘の葬儀から一ヶ月。突然現れた義理の息子が、四歳の孫を「邪魔」と言って私に押し付けていった。妻が亡くなった悲しみも癒えぬうちに、新しい恋人と再婚するためだと言う。震える孫を抱きしめながら、私は思った。あの男は娘の死を知っている。事故なんかじゃない。そう確信した矢先、孫が深夜に意味ありげな笑みを浮かべて言った。「...

朝早く、突然インターホンが鳴った。来客の予定などない。まさか、と思いながら玄関を開けると、そこには息子の嫁の父親である高志が立っていた。その隣には、不安そうな顔をした孫の陸がいる。

「どうしたの? 急にリクまで連れて。こんな早朝に」

そう言った私に、高志は信じられないことを言い放った。

「俺、再婚することにしました。こいつは邪魔なんで、お母さんにお任せします」

私は耳を疑った。何を言っているのだろうか。

「あなた、何を言っているの?」

実の父親に「邪魔」と言われた陸が、びくっと体を震わせた。その顔は真っ青になっている。要するに、再婚の邪魔になる息子を、私に押し付けようとしているのだ。

「俺だって、急にまなみがいなくなって困ってるんですよ。だからお母さんがこいつを引き取るのが筋でしょう。新しい彼女は若い子なんで、子育てとかさせられないですし」

高志は浮かれた様子で、恋人の写真を見せてきた。

「ほら、これ。まなみと違って若くて可愛いでしょ」

写真に映っている女性は確かに美人だった。だが、それが何だというのだろうか。母を失い、今まさに父に捨てられようとしているこの小さな子の気持ちを、この男は考えたことがあるのだろうか。

「いいわ。リクは私が育てます。でも、後から『やっぱり返して』なんて言わないでしょうね」

「ああ、ないない。俺、子供嫌いなんで。じゃあ、よろしくお願いしますね」

そう言って、高志は上機嫌で去っていった。妻の四十九日も来ていないというのに。

「おばあちゃん……僕、捨てられたの?」

父に置き去りにされ、心細そうな陸を、私はぎゅっと抱きしめた。間違いなく、あの男は実の息子を捨てたのだ。しかも、再婚に邪魔だという身勝手な理由で。ただでさえ母親をなくしたばかりで心細い陸が、どれほどのショックを受けたことだろう。

「今日からは、ここがあなたの家よ」

そう言うと、陸はほっとしたように頷いた。

私の名前はよ子。若い時に夫を病気でなくした私は、シングルマザーとして一人で娘のまなみを育ててきた。仕事で忙しい私に代わって家事を積極的に手伝ってくれる、優しく思いやりのある自慢の娘だった。学校の成績も優秀で、大学を卒業すると大手企業に就職した。そこで知り合ったエリート社員の高志と結婚し、翌年には孫の陸が生まれた。

私が娘夫婦の家に遊びに行くと、高志は留守にしていることが多かった。まなみ曰く、残業や急な出張が多いのだという。

「随分仕事が忙しいみたいで大変ね」

私がそう言うと、まなみは少し迷ったように口を開き、悩みを打ち明け始めた。

高志は仕事の忙しさを言い訳に、子育てに積極的ではないらしい。たまに家にいてもすぐにどこかへ出かけ、家族との触れ合いも夫婦の会話もほとんどないという。陸の世話を頼んでも、スマホゲームに夢中で、子供がコップを倒しても見て見ぬふりをする。陸が壁に落書きをしても、笑っているだけで注意もしないそうだ。

「本人は『大らかな子育てをしているだけ』って言うんだけど、私は放置しているようにしか思えないの」

まなみが高志にもう少し子供と向き合うようお願いしても、本人はどこ吹く風で、「俺は子供を自由に育てる主義なんだ。口出しするな」と言って話も聞かないらしい。

「喧嘩ばかりしているの。もう、どうしたらいいのかわからないのよ」

そう言うまなみの顔は、どんどんやつれていった。娘の家庭の問題に私が直接口出しするわけにもいかず、ただ愚痴を聞くことしかできなかった。

そして、結婚から5年が経った頃。まなみに会うたびに、元気がなくなっていくことに気づいた。

「顔色が悪いけど、調子でも悪いの? ちゃんとご飯は食べているの?」

私が尋ねても、まなみは微笑むだけで何も答えてくれない。何かを打ち明けようという素振りを見せることもあったが、結局話してはくれなかった。そこまで言いにくいことなのだろうか。どう見ても「大丈夫」ではない娘の様子に、不安が募っていく。

そんな中、まなみが我が家を訪れた後、決まって高志から電話がかかってくるようになった。

「あいつ、何か言ってました?」

何かを探るような口調だった。私はそのたびに「何も聞いていない」と答えるが、高志はしつこく食い下がる。

「あいつ、最近育児ノイローゼ気味なんで。もし変なことを言っていても気にしないでください。夫婦の問題なんで」

そう言って電話は切れた。しかし、陸は聡明で明るい子供であり、まなみがノイローゼになるようにはとても思えなかった。ならば、なぜ高志はそんな嘘をつくのか。何か重大なことを隠している。そんな予感がしてならなかった。

そして、その不安は的中することとなる。

「え? まなみが……ええ、すぐにそっちへ行きます!」

まなみが自宅で倒れて病院に運ばれたと、高志から連絡が入った。高志曰く、仕事中に胸騒ぎがして家に帰宅したところ、階段の下でまなみが倒れて動かなくなっていたという。頭を強く打っており、二階のベランダから洗濯物を取り込んで一階に降りようとしたところ、足を踏み外したのではないかと高志は言った。

だが、そこで私はある矛盾に気づいた。その日は朝から横殴りの激しい雨が降っていたのだ。雨の日に、外に洗濯物を干す必要などないはずだ。それなのに、まなみがベランダにいたというのはおかしい。高志の説明に、私は疑念を抱かずにはいられなかった。

病院に到着すると、まなみはベッドに寝かされていた。その目は固く閉じられ、意識が戻る様子はない。医師からは、このまま目を覚ますかどうかは分からず、容態が急変する可能性もあると言われた。

「まなみ……どうして……」

眠る娘の横顔に泣きながら問いかけるが、返事は帰ってこなかった。それから私は毎日病院に通い、娘の回復を祈った。しかし、高志は入院したあの日から仕事を理由に、見舞いに来ることは一度もなかった。そして、数日後。意識が戻らないまま、まなみの容態は急変し、そのまま亡くなってしまった。

「まなみ! 目を覚まして! まなみ!」

もう心臓の鼓動は止まっているのに、二度と娘が目を覚まさないなんて信じられなかった。幼い子供を残して逝ってしまった娘が、あまりにもかわいそうで哀れだった。娘を失った深い悲しみの中、私の高志に対する不審感は募っていくばかりだった。

そして、葬儀の日。高志は喪服に身を包み、沈痛な表情で参列者と話している。病院に見舞いにすら来なかった男が、葬儀では悲しみの顔を見せていることが不気味だった。式では涙を流し、声を震わせながらまなみにお別れの言葉を述べる高志。参列者たちはその姿に同情し、涙していた。しかし、私だけは知っている。あの涙が本物かどうか、疑わしいと思っていた。

そして、私はとうとう目撃してしまったのだ。葬儀を終え、参列者が全員帰った後、人のいない場所で微笑みを浮かべている高志を。

妻が亡くなったというのに、どうして笑えるの? 絶対におかしい。まなみがこの世を去った裏には、何かがある。高志の微笑みを見て、私はそう確信した。

そして、葬儀から一ヶ月ほどが経った、あの朝。高志が陸を連れて突然やってきて、「邪魔なのでお任せします」と言い放ったのだ。あの男は、もしかしなくても、まなみが事故ではなく何者かに殺されたことを知っているのではないか。そう考えると、怒りと疑念が込み上げてきた。

私は陸を家に招き入れ、簡単な夕食を作ってあげた。よほどお腹が空いていたのか、陸はすごい勢いで食べ始めた。

「もしかして、ご飯を食べさせてもらえてなかったの?」

私が聞くと、陸はこくりと頷いた。高志はコンビニのお弁当やパンを適当に用意して、自分はどこかへ出かけていたらしい。きっと、愛人のところへ行っていたのだろう。

「おばあちゃんのご飯、あったかくて美味しい」

陸の微笑みに、私は思わず涙が出た。一人で冷たい食事を取っていた陸のことを思うと、かわいそうで仕方がなかった。

夕食の後はお風呂に入れてやり、夜は布団で一緒に寝た。母が恋しいのか、陸は私に甘えるように寄り添ってくる。背中をとんとんと叩いていると、やがて陸はすうすうと眠りについた。私も眠りに落ちたが、深夜、ふと目が覚めた。

隣から、何やら笑い声が聞こえたからだ。それは、眠っているはずの陸の発するものだった。

「どうしたの? 眠れないの?」

私が聞くと、陸はくすくすと笑いながら、不思議なことを呟いた。

「ねえ、おばあちゃん。僕、明日が楽しみなんだ」

「楽しみ? 何が?」

「うーん。まだ内緒。明日になったらきっとわかるよ」

陸は、どこか企むような笑顔を見せた。その後、再び眠りに落ちていったが、さっきの言葉は一体どういう意味だろう。夢でも見て、寝ぼけたのだろうか。孫の不気味で意味ありげな言動に、私は首をかしげるのだった。

翌日、私の元に親戚のミキから一通のLINEが届いた。そこには音声ファイルが添付されていた。

「急になんだろう」

そう思いながら再生すると、聞こえてきたのは信じられない音声だった。

「あーちゃん、やっと独身になれたよ。邪魔なガキもババァに預けたし、僕たち幸せになろうね」

男性の、甘えたような猫撫で声。間違いない、高志の声だ。あーちゃん? ミキに何これと電話で尋ねると、ミキは驚くべきことを言った。

「昨日、私のスマホにかかってきた電話を録音したの。高志さんから」

何と、高志は愛人の「あね」と間違えて、ミキに電話をかけて結婚を申し込んでいたのだ。なぜミキのところにそんな間違い電話が?

「実は私、陸くんにいたずらを教えちゃったんです。でも、まさか本当にするなんて……」

ミキの話によると、陸が前の日に高志のスマホに登録されている電話番号を、ミキとあねの分を入れ替えるといういたずらを仕掛けたらしい。元々高志にいい感情を抱いていなかったミキは、陸に「お父さんをこっそり困らせてみて」といたずらを提案していたのだ。電話番号が違うことに気づかなかった高志は、電話の相手があねだと思い込んで、ミキに甘えた声の電話をかけていたのだ。ミキは、これは何かの証拠になるのではと思い、あねになりすまして通話を録音したらしい。

もしかして、昨日陸が意味ありげなことを言っていたのは、このいたずらのことだったのか。

さらに、その音声の中で、高志とあねの関係が、まなみが陸を妊娠していた頃から始まっていたことが判明した。仕事が忙しくて残業が多いことも、休日の出張も、全て嘘だったのだ。本当は、あねと旅行を楽しんでいたのだ。

もしかして、まなみが悩んでいたのは、このことだったのか。おそらく、私に心配をかけまいと、まなみは高志の浮気のことを誰にも打ち明けず、一人で抱え込んでいたに違いない。私は娘を苦しめていた高志とその愛人に、激しい怒りを覚えた。

どういうことなのかを問いただそうと、高志の家へ急いだ。行ってみると、すでに他の親戚たちも集まっていた。

「あの会話は一体どういうことだ!」

高志に複数人が詰め寄り、音声について問い詰めている。高志はしどろもどろになりながら答えた。

「あ、あれはただのドッキリですよ。まなみが亡くなって落ち込んでいたから、笑わせようとしただけ」

それはかなり苦しい言い訳だった。もちろん、誰も納得しない。だが高志は、あねとの再婚もまなみが亡くなった後に決めたことで、浮気などしていないと主張し続けた。

親戚たちが言い訳するなと怒鳴り散らす中、連れてきていた陸が突然、タブレットを持って私のところに来た。

「おばあちゃん、これ」

陸は私にタブレットを差し出した。そこには一本の動画が保存されていて、私はミキと共にそれを再生した。その動画の内容は、驚くべきものだった。

日付は、まなみが階段から落ちた当日。高志とあねのやり取りを、陸が隠し撮りしていたのだ。

動画の中で、まなみが高志の浮気を問い詰めている。

「私に隠れて浮気をしていたなんて、信じられない。何を考えているのよ!」

すると、高志はまなみに食ってかかった。

「お前と結婚したのは間違いだった。子供も俺に懐かないし、可愛くないんだよ。しょうがないだろ、冷めちゃったんだから」

高志の横では、あねが笑いながら二人の諍いを見ている。

「見苦しいよ、おばさん。もうすでにあんたは愛想尽かされてるって認めなよ」

二人はまなみを馬鹿にしたように、ゲラゲラと笑った。

「だから、お前が邪魔なんだよ」

そう言いながら、高志はまなみにじり寄った。

「やめろ! 再生するな! 動画を止めろ!」

そこまで動画が進んだところで、高志が大声を出してタブレットを奪い取ろうとした。そんな高志を、親戚たちは抑え込んだ。この慌てよう。この先は、よほど高志にとって不都合な真実が映っているに違いない。本当のことを知るのは怖かったが、私は震える指で続きを再生した。

高志に迫られ、まなみは逃げ出そうとする。しかし、進路を阻まれ、彼女の体路は背後にある一階へと続く階段しかなかった。

「まなみ、やめて。来ないで!」

まなみが叫ぶが、高志は笑いながら近づく。

「じゃあな、まなみ」

そう言って、高志はまなみを強く突き飛ばした。階段の近くにいたまなみはバランスを崩し、そのまま転がり落ちてしまった。頭をぶつけたせいか、まなみは声も出さず、動かなくなった。

高志は駆け降りると、ぐったりとしているまなみに呼びかけた。

「おい、まなみ! まなみ!」

しかし、応答はない。まなみは完全に気を失っているようだった。

「これで計画通りね」

あねがにんまりと笑った。

「思ったよりあっさり始末できてよかった」

その会話は、まなみがこうして亡くなってしまうことが、高志とあねが事前に計画したものだということを示していた。つまり、二人はまなみを意図的に殺害したのだ。

ぐったりと倒れているまなみを放置したまま、二人は慌ただしく動き出す。洗濯物をわざと床にばらまき、あたかもまなみが洗濯物を取り込んでいる最中に足を踏み外したように偽装工作を始めた。まだ息があるかもしれないまなみを救護しようともしない。この時、すぐに救急車を呼べば助かったかもしれないのに。そう思うと、胸が苦しかった。

「これで完璧だ。洗濯物を取り込んだ後、階段を踏み外して転落した。俺たちが疑われるはずもない」

「葬式では、ちゃんと悲しんでいる演技をしてよ。そんな風にニヤニヤしてたらバレちゃうんだからね」

そうして、二人の高笑いが響いて、動画は終わった。

陸はまだ四歳だが、幼い頃から学習用としてタブレットを使っていたので、基本操作ができる。家の中を撮影することが好きだった陸は、可哀想なことに、母親の最後の瞬間を撮影してしまったのである。

「あなたと愛人が、まなみを殺したのね。これでもまだ言い逃れする気?」

私がそう言うと、親戚たちに取り押さえられていた高志は、それを振り払って一目散に外へと走った。逃げる気だ。そう思ってみんなで後を追いかけるが、必死になった高志の逃げ足は速い。

外に出た高志が、道路へと繋がる階段を駆け降りようとした。その時だった。

「うわあ!」

高志は急ぐあまり、階段でつまずき、そのまま転がり落ちてしまった。それは、まるでまなみにしたことの因果応報のようだった。痛みにうずくまる高志を、私たちは再び取り押さえた。親戚の一人が警察に連絡し、ほどなくパトカーが到着した。

「俺はやってない! あいつが足を踏み外したんだ! 事故だ!」

「話は署で聞かせてもらう。乗れ」

高志はパトカーが走り去る直前まで、陸に向かって叫んでいた。

「リク、お前のせいだぞ、このクソガキ!」

私は陸の耳を塞ぎ、その言葉が聞こえないようにした。あんな親なら、いない方がいい。怯える陸の頭を優しくなでながら、私はこの子を守っていくことを改めて誓った。

その後、私が警察に証拠の映像を提出すると、高志は殺人未遂の疑いで逮捕された。あねも、直接殺害には関与していないものの、偽装工作を手伝っていたことから共犯として逮捕された。

事情聴取によって分かったことだが、高志とあねの犯行動機は、二人が再婚するために邪魔なまなみを殺害するという身勝手なものに加えて、保険金目的だったらしい。二人はギャンブルで作った借金があり、金融会社から返済を迫られていた。妻であるまなみを始末すれば保険金が手に入ると計画したのだ。

高志は逮捕されてからも一貫して無罪を主張した。しかし、あの決定的な動画があったことで、その主張は認められず、高志は長い懲役刑が言い渡された。計画的な犯行ということもあり、初犯にしては重い量刑だった。

あねは実行犯ではなかったため執行猶予付きの判決となり、すぐに釈放された。しかし、モデル事務所を解雇され、他の事務所からも敬遠され、結局はモデルの仕事を諦めることになった。今は夜の仕事をしているそうだが、ストレスで酒に溺れ、かなりやつれてしまったようだ。

一方、私の家には穏やかな日々が戻ってきた。高志が逮捕されたことの影響を心配していたが、陸は以前より格段に笑顔が増えた。素直で優しい子に育っている。近所の幼稚園に通い、友達もたくさんできたようだ。この子が勇気を持ってあの犯行現場を撮影していたからこそ、真実が明るみに出たのだ。それがなければ、あの二人は罪の意識に苛まれることなく、のうのうと暮らしていたことだろう。あの時、高志からこの子を引き取っていなかったら、一体どうなっていただろうか。そう思うと、ぞっとする。

いつもの夕方。幼稚園でたっぷり遊んで帰ってきた陸が、リュックを置くなり言った。

「おばあちゃんのご飯って、本当に美味しい。お母さんのご飯とそっくりだよ」

私は、出来立ての夕食をテーブルに並べながら言った。

「そう? それなら良かった。さ、今日もたくさん食べてね」

「うん! いただきます!」

陸は目を輝かせて、温かいご飯を頬張る。その笑顔を見ると、私は幸せな気持ちでいっぱいになる。

夜、陸が寝た後。私は居間の棚に飾ったまなみの写真に向かって、そっと手を合わせた。

「まなみ……あなたの息子は、私がちゃんと育てるからね。安心して見守っていて」

写真の中のまなみは、優しく微笑んでいるように見えた。まなみはきっと天国から、愛しい我が子の成長を、見守ってくれていることだろう。

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