奥様、別室へどうぞ。
その言葉の意味が、最初はまるで頭に入ってこなかった。十月の終わり、平日の昼下がり。北田市の縦町にある小さな信用金庫のATMコーナーで、私は機械の前に立ち尽くしていた。差し込んだカードが音を立てて返ってくる。画面には「このカードはお取り扱いできません。恐れ入りますが、窓口へお越しください」と表示されていた。暗証番号を押す前だった。押す前に、画面が切り替わったのだ。
背中の方でスリッパの音がした。振り返ると、銀行の制服を着た女性が立っていた。私より十歳ほど年上に見えた。その人は私の手の中のカードを見て、それから私の顔を見た。目の縁が赤くなっていた。
「朝倉みなみ様でいらっしゃいますね。」
私は頷くことすらできなかった。三年前に捨てたはずの旧姓を、知らない人の口から聞いたからだ。その人は私の正面に回ると、腰を折るように深く頭を下げた。
「奥様、別室へどうぞ。」
「奥様って。私、もう離婚しています。」
「存じております。それでも、ご主人様からそうお呼びするようにと伺っておりました。」
外で風が鳴った。ロビーの隅で掃除機が低い音を立てていた。三年前、私は夫に捨てられた。ずっとそう思って生きてきた。財布の奥にしまい込んだままだったこの一枚のカードは、その日に手のひらに押し込まれたものだ。この日、私はこの信用金庫に入った。それだけのことで私の三年間の意味がすっかり変わってしまう。そんなことを、この時の私はまだ知らなかった。
私の名前は朝倉みなみ。三十九歳。今は何の仕事もしていない。北田市の縦町にある「縦の荘」という古い木造アパートの二階に住んでいる。階段を上がるたびに板がきしむ音がする。部屋は六畳と小さな台所だけで、家賃は四万八千円だ。それでも今の私には高い部屋だった。三年前まで、私は高瀬みなみという名前だった。離婚して旧姓に戻したので、今は朝倉に戻っている。役所の窓口で書類を出した時、担当の人は名前の欄を見ながら私に印鑑の位置を教えてくれた。それだけだった。私にとっては人生がひっくり返った日だったのに、窓口の向こうではその日の何件目かの手続きでしかなかった。あの日の事務的な声を、私は今でも覚えている。
仕事は派遣の登録をして食いつないできた。倉庫の仕分け、スーパーの品出し、ビルの夜間清掃。決まっては切られ、決まっては切られを繰り返した。その細い糸も先月の末で切れた。私には子供がいない。結婚していた九年の間で随分泣いたけれど、離婚してから一度だけ、それで良かったのかもしれないと思った日がある。私一人が困っていればいいのだから。そう思えたこと自体を、私は自分でも悲しく感じた。これは、離婚した日に元夫から押し付けられた一枚のカードを、三年間どうしても使えなかった女の話だ。
離婚してからの三年を、私は意地だけで生きてきたと思う。出て行くと決めた日から部屋を探した。三十六歳で仕事も貯金もない女に貸してくれる部屋はなかなか見つからない。五件目でようやく決まったのが「縦の荘」だった。不動産屋の人が申し訳なさそうに言った言葉を、今でも覚えている。
「ここなら、保証人なしで契約できますから。」
その言葉に、私は何も言えなかった。ただ、ありがとうございますと頭を下げるのが精一杯だった。引っ越しの日、ダンボールは四つだけだった。荷物は少なければ少ないほど、自分が軽くなったような気がした。新しく買ったものは布団一式と、小さな電子レンジだけ。テレビも洗濯機もなかった。最初の一週間は、窓の外を眺めて過ごした。縦の荘からは、駅前の時計台が見えた。夜になると時計台の灯りがついて、私はそれを毎晩数えていた。何を数えていたのか、今でもよく分からない。
離婚した日のことは、細部まで覚えている。あの日、私は高瀬みなみだった。夫は十三歳年上で、この街のそこそこ大きな工場の専務だった。結婚してから、私は「奥様」と呼ばれることに慣れていった。最初は違和感があったけれど、九年も経てばそれが自分の名前のようになっていた。家事をして、食事を作って、夫の帰りを待つ。それだけの毎日だった。それだけの毎日が、壊れる日が来た。
夫は突然、切り出した。
「出て行ってくれ。」
夕食の後、食器を片付けている時だった。私は夫の言葉が理解できなかった。
「え?」
「出て行ってくれ。会社の経営が厳しくなってな。家を売ることにした。」
「家を、売る?」
「ああ。この家ももう持っていられない。お前は実家に戻れ。」
夫の声は淡々としていた。そこには私への気遣いも、悲しみも、何もなかった。私は食器を握ったまま立ち尽くした。
「私、どこに住めばいいの?」
「それはお前が考えることだ。」
夫は立ち上がって、書斎へ向かった。ドアが閉まる音がした。私はその場に立ち尽くしたまま、何分も動けなかった。ダイニングの電気が、冷たく私を照らしていた。
それからの数日間、私は家を出る準備をした。衣類をまとめ、思い出の品を捨てた。その間も夫は何も言わなかった。話しかけても、「忙しい」の一言で終わった。私は泣かなかった。泣くことを忘れてしまったかのように、機械的に片付けをした。最後の日、夫は書斎から出てきて、私に一枚のカードを差し出した。
「これは渡しておく。何かあった時のために。」
「何、これ?」
「夫婦の間にあったわずかな預金を、お前の名義にしておいた。」
私はカードを受け取った。何も言えなかった。言うべき言葉が見つからなかった。九年間の結婚生活を、たった一枚のカードで清算されたような気がした。私はカードを財布の奥にしまい、そのまま一度も使わなかった。三年前のあの日から、ずっと。
あの日、私は高瀬みなみとして家を出た。家を出るとき、玄関の靴箱の上に置いてあった結婚写真を、私は見なかった。見ることはできなかった。振り返らないまま、私は家を出た。
離婚届は、夫が用意していた。役所に出すのは私が行くように言われた。私は役所で離婚届を提出し、朝倉みなみに戻った。窓口の担当者は手際よく書類を処理した。それだけだった。私は家を失い、名前を失い、九年間の生活をすべて失った。それなのに、世界は何も変わっていない。駅前では人が行き交い、信号は青になり、赤になった。私はその中を歩いている自分が、現実感なく感じられた。
それから三年。私は派遣の仕事を転々とした。どこにいても長続きしなかった。期限が切れると、次の仕事を探した。倉庫の仕分けは寒かった。スーパーの品出しは、早朝の作業が体にこたえた。ビルの夜間清掃は、誰もいないオフィスを掃除する時間が、かえって楽だった。無人の空間は、私にとって居心地が良かった。人と話さなくていいからだ。人と話すと、決まってこう聞かれるからだ。
「ご家族は?」
その質問に答えるたび、私は「いません」と短く言っていた。それは本当だった。夫は離婚した。実家の母は三年前に亡くなった。父はもっと前に亡くなっていた。兄弟はいない。私には、誰もいなかった。私一人だけだった。
先月の末、最後の派遣先の契約が切れた。ビルの夜間清掃の仕事だった。担当者から「今月で終わりです」と告げられた時、私は「はい」とだけ答えた。もう驚きもなかった。いつものことだった。私は家に帰ると、布団の中でじっとしていた。天井の染みを数えた。十一個あった。ずっと数えていない間に、一つ増えていた。
財布の中を確認した。残金は七千円ほどしかなかった。冷蔵庫の中は、卵が二個と、切れかけた納豆が一パックだけだった。私はため息をついて、財布を閉じた。その時、指がかたくなった紙に触れた。あのカードだ。三年前、夫に押し付けられたカード。私は一度も使ったことがなかった。何が入っているのかも、知らなかった。
私はそのカードを取り出して、眺めた。表面には信用金庫の名前と、私の旧姓が印字されていた。高瀬みなみ。三年前の私の名前。これを見つめるたび、私はあの日のことを思い出した。夫が淡々と「出て行ってくれ」と言った日のこと。カードを差し出した日のこと。私はそのカードを、何度も財布の奥にしまい込んだ。
でも、その日は違った。残金が七千円しかなかったからだ。私はカードを手に持ったまま、しばらく考えていた。使うか、使わないか。カードの中身を確認するか、それともこのまま知らないふりをするか。
私は立ち上がった。窓の外を見ると、駅前の時計台が光っていた。十月の終わりの平日の昼下がり。私はカードを財布に入れて、アパートを出た。階段がきしんだ。外は風が冷たかった。私は縦町の通りを歩き、信用金庫の前に立った。
自動ドアが開いた。中に入ると、ATMコーナーがあった。私はカードを取り出して、機械に差し込んだ。機械はしばらくしてカードを返した。画面には「このカードはお取り扱いできません。恐れ入りますが、窓口へお越しください」と表示されていた。私はその場で立ち尽くした。このカードは、どういうことだ?
背中の方でスリッパの音がした。振り返ると、銀行の制服を着た女性が立っていた。私より十歳ほど年上に見えた。その人は私の手の中のカードを見て、それから私の顔を見た。目の縁が赤くなっていた。
「朝倉みなみ様でいらっしゃいますね。」
「はい。そうですけど…」
「奥様、別室へどうぞ。」
「奥様って。私、もう離婚しています。」
「存じております。それでも、ご主人様からそうお呼びするようにと伺っておりました。」
「ご主人様って…誰の…」
その人は、私の手の中のカードを見つめたまま言った。
「高瀬様です。高瀬様は三年前から、当金庫に毎月この口座へ入金していらっしゃいました。そして、先月、こう言われました。『そろそろ、妻に知らせてほしい』と。」
私は言葉を失った。三年前? 毎月? 先月? 夫は私に、何をしていたというの?
「高瀬様は…元夫は、元気なんですか?」
その人は、私の目を見た。そして、静かに言った。
「高瀬様は、先月亡くなられました。」
風の音が聞こえた。ロビーの隅で掃除機が低い音を立てていた。私はその場に立ったまま、動けなかった。夫が、亡くなった? 三年前に私を捨てた夫が? そんなはずがない。あの人は元気だったはずだ。だって、このカードを差し出した時も、平然としていたのに。
「詳しいお話は、別室で。」
その人はそう言って、私を案内しようとした。私は足を動かすことができなかった。頭の中がぐるぐる回っていた。なぜ? なぜ、今になって? なぜ、亡くなってから? どうして、私に知らせずに?
「奥様。」
その人がもう一度呼んだ。私はゆっくりと、その人について行った。別室は、銀行の奥にある小さな応接室だった。テーブルの上に、封筒が一つのっていた。私はそれを見つめた。
「こちらが、高瀬様からのお手紙です。」
私は封筒を手に取った。重みはほとんどなかった。表面には、私の名前が書かれていた。朝倉みなみ様、と。元夫の字だった。九年間の結婚生活で、私は何度もこの字を見てきた。それが、今ここにある。私は封筒を開けられずにいた。
「お読みになられますか?」
その人の声が聞こえた。私は首を振った。まだ、読めなかった。
「お持ち帰りになられて、ゆっくりお読みになっても大丈夫ですよ。」
私は封筒を握りしめた。そして、静かに言った。
「この口座には、いくら入っているんですか?」
その人は、資料をめくった。
「高瀬様が三年前から毎月入金されていた額は、月に十万円です。口座には、現在三百七十万円ほど残高があります。」
三百七十万円。私が三年前から今まで、派遣の仕事で稼いできた額よりも、ずっと多い額だった。私が夜のビルで掃除をしていた時間。スーパーで品出しをしていた時間。倉庫で仕分けをしていた時間。その間も、夫は私のために、コツコツと何かを積み立てていた。
「高瀬様は、何と言っていましたか。」
「…『妻にだけは、困らせたくない』と。」
私は封筒を見つめた。風の音が遠くで聞こえた。三年前、夫は私に「出て行ってくれ」と言った。その時、夫は何を思っていたのだろうか。経営が厳しいと、家を売ると、そう言った。それは本当だったのか? それとも、何か別の理由があったのか?
私は封筒を開けた。そこには、一枚の便箋が入っていた。短い文章だった。
「みなみへ。約束を守れなくてすまない。このカードはお前のものだ。何かあった時のために取っておいてほしい。この手紙を読んでいる頃には、私はもういないだろう。最後に一言だけ。お前と結婚できて、幸せだった。」
私は、その場で立ち尽くした。涙は出なかった。何かの感情が、喉の奥でつかえたまま、出てこなかった。夫は、私に何を伝えたかったのだろうか。なぜ、こんなことをしたのだろうか。どうして、直接言わなかったのだろうか。
「…奥様。」
その人の声が聞こえた。私は顔を上げた。
「高瀬様の、お墓はどこですか?」
「それが…」
その人は、困ったように言った。
「高瀬様は、身元引受人を当金庫に指定されていまして。埋葬の手続きがまだ終わっていないのです。こちらとしては、奥様にご相談しようと思っておりました。」
私は封筒を握りしめた。夫は、独りで死んでいった。私を捨てて、独りで死んでいった。そして、私のために、カードを残して。手紙を残して。私は何も知らなかった。三年前、あの日、夫が私に渡したカードの意味を。私はあの日、夫の顔を見なかった。振り返らなかった。あの日、もし夫の顔を見ていたら、何か変わっていたのだろうか。
私は立ち上がった。
「…案内してください。」
「え?」
「夫のお墓。場所が決まっているなら、案内してください。」
その人は少し驚いた顔をしたけれど、すぐに頷いた。
「かしこまりました。では、後日改めてご連絡いたします。」
私は別室を出て、銀行の入口まで歩いた。自動ドアが開き、外の風が入ってきた。十月の終わりの冷たい風だった。私は封筒をコートの内ポケットに入れて、歩き出した。駅前の時計台が、静かに時を刻んでいた。
あの日、私は夫に捨てられたと思っていた。でも、違ったのかもしれない。私は何も知らないまま、三年間を生きてきた。夫が何を思っていたのか。なぜ私にだけ知らせなかったのか。夫の手紙の言葉は、短かった。もっと長い文が書かれていると思っていた。でも、たった五行だけ。最後の一言も、たった一言だけ。
「お前と結婚できて、幸せだった。」
あの人が、そんなことを思っていたことがあるのだろうか。私は自分のものごとに忙しくて、あの人の気持ちを考えたことがなかった。あの人の辛さも。あの人の苦しさも。私は何も知らなかった。ただ「捨てられた」と思って、悲しみに暮れていた。でも、実際に捨てたのは、私だったのかもしれない。
私は自分のアパートに帰り、布団の上に座った。封筒をテーブルの上に置いた。便箋は、封筒の中に戻した。まだ、読み返すことはできなかった。部屋の時計が、夜の九時を指していた。窓の外では、駅前の時計台が光っていた。私は窓の外を見つめた。あの人は、今どこにいるのだろう。独りで死んだあの人。何も私に言わずに死んだあの人。私のことを考えながら、死んだあの人。
私は封筒を手に取った。そして、もう一度便箋を開いた。そこには、短い文章が書かれていた。最後に、「みなみへ。元気でいてくれ」と。その一文を見た時、私は初めて何かの感情が溢れてきた。涙は、まだ出なかった。でも、何かが私の中で音を立てて崩れていくのを感じた。三年間の意地のようなものが、ゆっくりと、解けていくようだった。
私は便箋を畳んで、封筒に戻した。そして、カードを財布の中にしまった。使うことはなかった。使う必要はないだろう。このカードは、私のものだけれど、あの人の思い出として取っておこう。今はまだ、カードが意味を持つ時ではない。
次の日、私は銀行から連絡をもらって、夫の埋葬についての話を聞いた。夫は工場を閉めてから、借金を抱えていたらしい。家も、会社も、すべて手放して、夫は賃貸アパートで独りで暮らしていた。私に見つからないように。私はその話を聞きながら、何も言えなかった。あの人は、私が便利なように、すべてを隠していた。何も知らせずに、静かに消えていった。
私が選んだこと。それは、夫の埋葬を引き受けることだった。離婚している私が元夫の手続きをできるかどうかも分からなかったけれど、銀行の人が手続きを手伝ってくれた。私は夫の遺骨を引き取り、静かな墓地に埋葬した。遺骨の前で、私は何を言えばいいのか分からなかった。
「…あなたのことは、恨んでなかったよ。三年間、ずっと恨んでたけど。今は、違う。」
言葉にしたことは、たったそれだけだった。それでも、何かが少し静かになった気がした。
私は、カードを財布に入れたままにしている。残高は三百七十万円。私は正式に、このことを受け取ることにした。でも、使うことはないだろう。それは、あの人が私に残してくれたものだから。使ってしまったら、何かが終わってしまう気がした。
しばらくして、私はまた働き始めた。今度は、弁当屋の調理場だ。金額は少ないけれど、続けていくことはできそうだった。カードの残高は、ただそこにある。私は、そのことを時々思い出す。あの人が、私のために何かを積み立てていたことを。あの人が、一度も言わなかったことを。私はそれを、忘れないようにしようと思っている。
これは、捨てられた女の話ではない。捨てたつもりだった女の話だ。私は三年前、夫に捨てられたと思っていた。でも、本当に何かを捨てていたのは、私の方だったのかもしれない。あの人の気持ちを、考えもしなかった。あの人が何も言わずにいたことの意味を、知ろうともしなかった。私はただ、自分が可哀想だと思っていた。自分が辛いと思っていた。あの人が何を抱えていたのか、知ろうとすらしていなかった。
今は、分かる。あの人は、私を守ろうとしていたんだ。捨てたのではなくて、守っていたんだ。でも、それを知るには、あまりにも時間がかかりすぎた。
私は今日も、駅前の時計台を見上げる。あの人がいなくなった街で、私はまだ暮らしている。カードのことは、誰にも言っていない。あの手紙のことも、誰にも言っていない。これは、私とあの人の間のことだから。
時々、思う。あの人が、もう一度だけ会いに来てくれたら、何て言うだろうか。「元気か」と聞くかもしれない。それとも、何も言わずに笑うだけかもしれない。私は、何て言えばいいだろう。「あなたに会えて、よかった」と言おうか。それとも、「ごめんね」と言おうか。
分からない。でも、会える日が来るとしたら、その時は、きっと笑える気がする。あの日、銀行のATMで立ち尽くした私よりも、少しだけましな顔で、笑える気がする。
私は今日も、この街で暮らしている。あの人が残してくれたものを、心の奥にしまい込みながら。カードは、財布の中。手紙は、タンスの引き出しの奥。三年間と同じ場所に、それはある。でも、私の中の何かは、あの日から確かに変わっていた。私はまだ、その変化の名前を知らないけれど、いつか、それが何だったのか分かる日が来るのだろう。
その日まで、私は生きていこうと思う。あの人が私に残してくれたものを、無駄にしないように。忘れないように。私は今日も、駅前の時計台を見上げる。あの人が見ていたであろう、同じ空を見上げる。



