「あんたって本当にみすぼらしいのね。ウイスキーで濡れて、なおさら貧乏くさく映ってるわよ」
ママ友の恵さんは、私の頭からウイスキーをかけてそう言った。服は汚れ、精神的苦痛も受けた。
「こんなことして、ただで済むと思ってるの?慰謝料を払ってもらうわ」
私がそう言うと、恵さんは笑った。
「はあ?そんなの払うわけないじゃない。ウイスキーをかけられたのは、あんたが貧乏でみすぼらしいからよ」
まるで私が全部悪いかのような言い草に、怒りが込み上げる。続けて恵さんは言った。
「それに、うちの旦那はヤクザだから無敵なのよ。あんたなんか、すぐボコボコよ」
そう言ってニヤニヤと笑う恵さんは、自分が嫌な目に遭うとは微塵も思っていない顔だった。
私は確認の意味も込めて聞いた。
「恵さんの旦那さん、ヤクザなんだね」
ヤクザだと聞いても怯えない私に、恵さんは不機嫌そうな顔をする。
「そうだけど」
私はにっこり笑って言った。
「どこの国?今すぐ祖父を連れて行くから」
この後、恵さんは私を怒らせたことを後悔することになる。
私の名前は泉。26歳の専業主婦だ。夫はとても優しいし、私の趣味にも理解がある。私にはもったいないくらいの素敵な人。そして、もうすぐ4歳になる娘は、最近は絵を描くことが楽しいらしく、保育園で習った歌を機嫌よく歌いながら、家でもずっとクレヨンとお絵かきアイテムを手放さない。保育園の先生方もいい方ばかりで、ついついお話をするのが楽しみになっている今日この頃。私はとても充実した生活を送っていると思う。
けれども、幸せな私にも悩みがあった。
「あら、泉さん、今日もみすぼらしい格好ね。本当に貧乏人なんだから」
会うたびに私のことを笑うママ友の一人、恵さんだ。恵さんとは娘が保育園に入ってからの付き合いで、娘より年上の息子さんがいる。恵さん以外のママ友さんたちはみんなとても親切で、分からないことが多い私に「いつでも聞いてね」という言葉をくれた。恵さんは他のママにもそんな風に嫌なことを言ったりすることもあるらしく、みんな壁を作っているのだ。さらに、私が新しくママ友グループに入ったことが気に入らないのか、私を最初から目の敵にしている様子だった。
「地味な格好。同じママとして恥ずかしいんだけど」
毎回そんな風に言われ、侮辱され続けていた私だったが、恵さんの息子さんはあと1年で卒園だし、学年も違っていたので、それまでの辛抱だと思い、我慢し続けていた。ママ友のグループチャットで無視されるのはいつものことで、ママ友の連絡でも私1人だけ仲間外れのようなことをされることも度々あった。
夫にそのことを愚痴ったら、
「それは君の精神衛生上も良くないんじゃないか。避けてもいいと思うけど、親の関係って子供が学生で親が付き合いがあるうちは影響するかもしれないし」
と心配そうに、対案的な提案をしてくれた。
「あと1年ぐらいの辛抱だから、大丈夫よ」
「そうか。保育園のことは君に任せきりだから、君の思う通りにしたらいいと思うけど、でも無理する前に相談してほしい」
「うん。ありがとう。でも、たまには愚痴らせてね」
「もちろん、聞くよ。俺も仕事の愚痴を言ってるしね」
微笑む夫に、私は心が軽くなるのを感じた。家では家事や育児で忙しかったり、家族との団らんがあったので、私は家で癒されながら過ごすことができた。ママ友グループの誘いには私は相変わらず省かれているが、他のママ友は申し訳なさそうにしながらも、大人なので恵さんの前でも私にみんな話しかけてくれる。恵さんはそれも気に入らないのだろう。表立って何か言われることはないが、時にはママ友と楽しく話している私に舌打ちをされたこともあった。
そんな日々を過ごしていたある春の日、恵さんから直接電話がかかってきた。そんなことはそれまで一度としてなかったので、私はとても驚いて不審に思いながらも電話に出た。無視して折り返しをするのも勇気がいるし、さっと出たらなんとかなると思ったのだ。
「あ、もしもし、泉さん」
まるでいつも連絡しているかのような気楽な声で、早速本題を切り出した。
「今度ママ友グループで花見をするから、泉さんも来ない?」
私は一瞬だけ言葉に詰まってしまった。
「えっと、それ、本当に私に言ってる?」
疑っているのが声から分かったのだろう。
「やだ、本当よ。というか、今までだって別に意地悪で泉さんを仲間外れにしてたわけじゃなくて、泉さんいつも忙しそうだったから」
そう言って、つらつらと今までの行いの言い訳にもなっていない言い訳をし始めた。私はこれは何かあるなと思いながらも、その誘いに頷いた。
「分かりました。時間と場所をメッセージで送ってもらえると助かります」
「本当ありがとう。他のママたちも喜ぶよ」
恵さんは嬉しそうな声で電話を切った。私はそれに合わせてテンションを上げながら返事をして電話を切った。そしてすぐに他のママにメッセージで花見のことを聞いてみた。何人かに連絡をしてみたのだが、案の定、誰も花見のことは聞いていなかった。恵さんからの誘いだと知って、みんな一様に心配して「私も行こうか」と言ってくれる人もいたが、私はそれを丁寧に断って「大丈夫よ」と、それ以上は心配させないように返事をした。
恵さんが嘘をついていたことは分かったが、何が目的なのか分からなかった私は、一応夫にそのことを伝え、花見に向かった。夫は最も心配していたが、花見の場所は人が集まる公園だったこともあり、しぶしぶながらも私を送り出してくれた。
花見の会場に着くと、そこにはもう恵さんの姿があった。片手には液体の入ったグラスを持っており、もう飲んでいる様子だった。私の姿を認めると、恵さんはニヤリと笑った。私は知らないふりをする必要もないだろうと、すぐに切り出した。
「こんにちは。恵さん、2人きりで会おうなんて、何の用ですか?」
驚かない私を見て面食らったのだろう。恵さんは一瞬だけ顔をポカンとさせたが、すぐに表情を戻しながら言った。
「へえ、知っててきたんだ。あんた、魔女なの?自分のことをいじめてる相手に呼び出されて、1人で来るなんて」
「御用がないなら帰りますけど。私も暇じゃないので」
恵さんは動じない私が気に食わなかったのだろう。シートから立ち上がり、
「あんたって本当に地味でみすぼらしいのに、生意気で腹が立つ。この貧乏人が」
そう言って、恵さんは持っていたグラスの中の液体を私に頭からかけた。さらに、すぐそばにあったウイスキーのボトルも私の頭の上で傾けてかけた。ウイスキーは直前までホーローボックスにでも入っていたのか、キンキンに冷たかった。あまりのことに、それを途中で避けた私を、恵さんはケラケラと笑いながら見ている。
「あんたって本当にみすぼらしいのね。ウイスキーで濡れて、なおさら貧乏くさく映ってるわよ」
髪もメイクも台無しで、服も汚され、かなりの精神的苦痛だ。私は唇を噛みしめ、恵さんを睨みつけていった。
「こんなことして、ただで済むと思ってるの?慰謝料を払ってもらうわ」
何がおかしいのか、恵さんはずっと笑っている。
「はあ?そんなの払うわけないじゃない。ウイスキーをかけられたのは、あんたが貧乏でみすぼらしいからよ」
まるで私が全部悪いかのようなその言い草に、怒りが込み上げる。続けて恵さんはこう言った。
「それに、うちの旦那はヤクザだから無敵なのよ。あんたなんか、すぐボコボコよ」
そう言ってニヤニヤと笑う恵さんは、自分が嫌な目に遭うとは微塵も思っていない顔だった。私は確認のために聞いた。
「恵さんの旦那さん、ヤクザなんですね」
前々からそんなことを言っていたと噂があったことは確かだった。何人かのママ友はそれで脅されて、ランチ会のご飯を奢らされたこともあるらしく、みんな怯えているようだった。
ヤクザだと聞いても怯えない私に、恵さんは不機嫌そうな顔をする。
「そうだけど」
私はにっこり笑って言った。
「どこの国?今すぐ祖父を連れて行くから」
「はあ?」
恵さんは私の言葉に爆笑して、親の底おかしいというように目に涙まで溜めて笑った。
「じじ?じじに何ができるんの?ヤクザの男に張り合おうっての?呼び出されてくるじいさんはバカでしょう」
私はその様子に少し苛立ちながらも、さらに聞いた。
「どこの国?教えてよ。自慢に言うんだから、大きいところなんでしょ」
恵さんはそんなに聞くなら教えてやると、反笑いで答えた。
「弥勒組だよ。知ってどうすんのって感じだけど。とりあえず、来るなら来れば、家で待ってるから」
どんなことになるかも知らずに、恵さんはさっさとシートを片付けて家に帰って行った。
私はウイスキーまみれになったので、アウターのポケットに入っていて無事だったスマホを操作して、夫に連絡をした。
「すぐに行く」
と言ってくれた通り、夫は超特急で駆けつけてくれ、タオルを渡してくれた。一緒に来てくれた夫と、留守番だった娘は、ビシャビシャの私を見て、
「ママ、お洋服のままプールしたの?保育園でしたことあるよ」
と笑った。園では洋服のまま水に入ってしまった時のために、何回かその取り組みをしてくれるのだ。
「そうなの。でも、プールじゃないところでしちゃったから、少し臭いかも」
と笑って答えた。娘は「本当だ。変な匂い」と私の匂いを嗅いで、さらにキャッキャと笑った。その娘の笑顔に釣られ、夫と私も声を出して笑う。3人で帰る道はやっぱり幸せで、恵さんにされたうちの心の傷が少しだけ減った気がしたけれど、されたことはずっと心に残り続け、私は家に帰ってシャワーを浴びた後、すぐに祖父に電話をした。
「おじいちゃん、久しぶり。元気にしてた?」
「ああ、泉、元気だよ。泉は元気か?」
祖父の仕事は少し特殊で、私は今回祖父がその仕事をしていたから相談しようと思ったのだ。その仕事の関係で、私は普段はほとんど祖父と連絡を取らないのだが、久しぶりに聞いた孫の声に祖父も嬉しそうだった。だが、少しだけ改まった声で私は祖父に訪ねた。
「おじいちゃん、弥勒組って知ってる?」
その私の問いに、祖父は一瞬黙り、
「知ってるよ。俺がまとめてる地域の中にある組だ。組長とも交流がある」
と答えた。私はそういう祖父に、これまでの経緯を話した。弥勒組という名前を聞いてから真剣になった祖父の声は、私が話を進めるにつれてどんどん厳しいものになっていった。
「お前、早く相談しろよ。俺が早く動いていれば、今日みたいなことも起こらなかったんじゃないか」
そういう祖父は、私への心配と恵さんへの怒りでない混ぜになった声を出した。実は祖父は、弥勒組を含めた地域のヤクザを統括しているという、ヤクザの組長なのだ。
「ごめん。でも、おじいちゃんの力を借りるまでもないと思ったの」
と謝った。
「いや、お前を責めてるわけじゃない。すまん。何もできなかった自分が情けないだけだ」
祖父はそう言って、逆に私に謝ってくれた。
「それで、俺は何をしたらいいんだ?」
そう言ってくれた祖父に、私は恵さんの家に一緒に行ってほしいと頼んだ。祖父は快く頷いてくれ、翌日、私と祖父は2人で恵さんの家に向かった。
インターホンを鳴らすと、すぐに恵さんが現れ、その後ろから恵さんの旦那さんらしき人もニヤリと嫌な笑みを浮かべながら出てきた。恵さんの旦那さんは高幸さんと言った。
「こいつが、ヤクザの俺に盾突こうっていう女か」
恵さんは生き生きしている様子の高幸さんに、品定めするように言った。
「そうなのよ。本当にあなたがヤクザだって言っても、ちっとも怖がらないのよ。腹が立つでしょ」
「そうだな。バカな女だ」
恵さんはそれで話を切り出した。
「わざわざおじいさんまで引き連れて、何のご用?」
本当に楽しそうに私と祖父を見てニヤニヤと笑う恵さん。しかし、それとは対照的に、その時初めてきちんと祖父の顔を見た高幸さんは、顔色を悪くした。
「え、どうしたの?」
不思議そうな恵さんに、高幸さんは答える余裕もない。私の横に立っていた祖父は、いつものように和装に身を包んでいる。一見、普通に見えるが、今でも現役で組長を務める祖父の体は筋肉に包まれていることを、小さい頃は祖父の筋トレに付き合っていた私は知っている。祖父を普通の人間だと思っている恵さんは、高幸さんの様子に首をかしげるばかりだ。
一方、祖父といえば、高幸さんの顔を見てニヤリと笑っていた。その笑みは、仕事で相手を威圧するような、そんな表情だった。
「こりゃ誰かと思えば、弥勒組を逃げ出した根性なしの坊主じゃねえか」
祖父は高幸さんの顔を覚えているようだった。仕事柄、いつ何時どの人間に何をされるか分からないので、できるだけ顔を覚えるようにしていると祖父は前に言っていた。まあ、結構な人数を相手にしているので忘れていることもしばしばらしいのだが、祖父に言われた高幸さんはひっくり返った声を出した。
「はひっ、これは…その…弥勒組の組長。どうしてここに?」
震える声でやっと聞く高幸さんに、祖父は笑い声をあげた。
「高幸さんが俺の孫にずっと嫌がらせを続けてくれた果てに、昨日はウイスキーを頭からかけたんだよ」
高幸さんは説明をされて一瞬気を失いそうになった様子だったが、持ち直してすぐにその場の地面に膝をつき、頭を下げた。
「も、申し訳ございませんでした」
高幸さんのその様子に呆然とした恵さんだったが、すぐに高幸さんの隣にしゃがみ、その肩を揺らす。
「ちょっと、どういうこと?高雪、あなた、そんなことしたことないじゃない」
「黙ってくれ。頼む。こ、この方は弥勒組の組長さんなんだよ。弥勒組よりずっと大きいところだ」
そういう高幸さんに、恵さんは祖父の顔を見て目を丸くした。
「え、このじいさんが?」
「し、そんな口を聞くな。どんな目に合うか分からないぞ」
恵さんはっと口を手で覆った。祖父はまた別に取っていやしねえよ。
「まあ、落とし前はつけてもらうがな」
祖父は続けて、
「うちの孫は相当精神的にも参ってんだ。そうだなあ。慰謝料1000万円でどうだ?」
そういう祖父に、恵さん夫婦は目を見開いた。
「そ、そんなお金、うちには子供もいるんです。出せるわけ。勘弁してください」
しかし祖父は首を振った。
「いや、それ以上は負けられねえ。坊主がヤクザだからって脅迫したらしいからな」
高幸さんはそれを聞いて、恵さんを睨む。
「なんてことしたんだよ、お前。組長のお孫さんに」
「そんなこと知らなかったのよ。知ってたら、こんなこと」
言い合いをする恵さん夫婦に、祖父は呆れたように言った。
「お前ら、本当に頭が足りてねえんじゃねえか。相手が組長の孫であろうがそうでなかろうが、人様に理不尽なことを押し付けていいわけねえだろうが」
ため息をつく祖父に、恵さん夫婦は恐縮しきっている。祖父がため息をついてスマホを取り出した。
「まあ、慰謝料はきっちり支払ってもらう。俺とお前さん、弥勒組を抜けたのに、まだ組の名前を名乗って、こんなちっちぇえことでくだらねえことしてんのか。今、組長呼び出すから、補給を吸えてもらえよ」
どうやら高幸さんが弥勒組を逃げ出したというのは、組を抜けたということらしい。何も説明はないが、恵さんも高幸さんも否定をせず俯いているばかりなので、その通りなのだろう。
祖父が電話をかけると、弥勒組の組長はすぐに電話に出たようで、5分もしないうちに目の前に黒塗りの車が到着した。降りてきた男性は祖父より少し年齢が下に見えるが、やはり同じようにはそうだった。
「高幸、お前、なんてことしてんだ。抜けた組のヤクザを名乗って、他人の人間を脅すとは」
弥勒組の組長は祖父に挨拶を済ませると、すぐに高幸さんを睨みつけてそう言った。
「す、すいやせん」
苦い顔をした弥勒組の組長は、車のそばで待機していた組員を呼びつけた。
「おい、こいつを連れて行け」
明らかに高幸さんを指すその言葉に、恵さんが声をあげる。
「ちょ、ちょっと待ってください。どうして、うちは組と関係ないですよね」
弥勒組の組長はジロリと恵さんを睨みつけた。
「ああ?何寝ぼけたこと言ってんだ。弥勒組を名乗ってたのはこいつだろうが。こいつは弥勒組の名前に泥を塗ったんだよ。慰謝料として1億円払ってもらう」
「え、ど、ど、え」
恵さんは混乱しているようで、何も言葉を言えずにいる。
「お前らの稼ぎじゃ、どうせ払いきれねえだろうが。だからこいつは弥勒組で奴隷として働いて返してもらう。当然、給料はずっと支払いに回される。ずっとただ働きだよ、お前は」
弥勒組の組長はさらに付け加えた。
「お前らの組長のお孫さんにも、しっかり慰謝料を払えよ」
祖父に睨まれ、弥勒組の組長に睨まれ、縮み上がった恵さん夫婦は、おずおずと頷くのだった。
その後、恵さんたちは少しずつだが慰謝料の支払いをしてくれている。高幸さんが弥勒組の奴隷になったので、いつでも呼び出しに答えられるようにと、恵さん夫婦は組の近くに引っ越しを余儀なくされ、夫婦揃って弥勒組の監視下に置かれることになった。高幸さんはただ働きなので、恵さんは慰謝料の支払いと生活を支えるために、低賃金のパートで昼夜問わず必死に働いているらしい。恵さん夫婦の息子さんは、慰謝料まみれの両親の元よりもいいだろうと、施設に預けられることになった。
私はといえば、今までできなかったことだが、他のママと遊びに出かけるようになった。噂はすぐに広まるもので、私の祖父がヤクザであることもなぜか瞬時に広まったのだが、みんな恵さんにはヤクザが旦那だと言って脅されていたり、意地悪をされ続けていたので感謝され、今でも変わらず付き合いを続けてくれている。私は祖父がその筋の人間だと知られたら、周囲のママ友全員から距離を置かれるものだと思っていたので、正直とてもほっとした。祖父にそのことを報告すると、祖父は自分のことのように喜んでくれた。自分のしたことで孫が嫌な目に遭うことがあったらどうしようと思っていたらしい。
私は祖父に恩返しをしようと、高級ホテルへ食事をしに行こうと祖父と話をしている。祖父がお金を出すと言って聞かないだろうから、どうやってうまく私が支払いを済ませようか考えているところだ。
そうそう。私は最近、写真をメインに投稿するSNSに偶然、恵さんらしき人のアカウントを見つけた。その投稿は、私と祖父が恵さんの家に乗り込んだ日で止まっている。その日の投稿は写真は真っ黒で、投稿につける言葉はたった一言。
「いじめてたママの祖父がヤクザだった」
これまでの明るい主婦生活の投稿とは正反対の、これからの人生を暗示するような投稿だった。やはり、他人にわざと迷惑をかけたり、嫌なことをすることはしてはいけないなと、その投稿を見て改めて思った。私はこれからも人には優しくして、普通の主婦として、大切な家族、そしてママ友たちと楽しい日々の生活を送っていきたいと思う。



